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【学部生卒業論文一覧】


2023年度学部生卒業論文

教師の教室発話における「雑談」に関する事例的研究

―小学校教師が中学校で行う理科授業を通してー

 

 教師発話内の「雑談」の特徴と、現職教師が考える「雑談」について事例的に検討する。教師発話をカテゴリー分類し、発生回数を分析した結果、「雑談」の発生回数は調査開始時と比べて減少した。また、その原因を探るためにインタビューを行ったところ、A教諭は生徒との関係づくりの手段として「雑談」を行っており、授業を重ねることで関係性を築くことができたため、「雑談」が減少したことが明らかになった。


2022年度学部生卒業論文

子どもと教師の相互行為における板書技術に関する事例的研究

-熟達教師と大学院生の比較を通して-

 初等教育実習を終えた直後の大学生が抱く板書に関する技術と内容について、その捉え方や困難点を明らかにし、子どもと教師の相互行為による板書技術に関する実態を、大学院生と熟達教師の比較から明らかにする。結果から、アンケート調査より、大学生は「見やすさ」を重要と捉え、「児童の発言を板書する行為」を困難だと感じていることが明らかとなった。また、熟達教師と大学院生の授業での板書の比較から、板書時における教師と子どもの相互行為に関して、熟達教師の方が大学院生よりも多いという特徴が明らかになった。

 

連載記事「私の学級通信」で掲載された学級通信の特徴と傾向

 複数の筆者が執筆した学級通信の記事内容と筆者の考えを対象として、30年間の学級通信の記事内容を分類、分析し、記事内容の特徴と傾向を明らかにする。本研究で用いるのは、雑誌「下伊那教育」である。結果より、学校種による比較から、小学校では「事務連絡」、中学校では「子ども視点の学校生活」の記事内容が多いという特徴が明らかになった。発行年代による比較から、30年間で「子ども視点の学校生活」と「保護者の声」の記事内容が少なくなり、「学校生活の写真」の記事内容が多くなるという特徴が明らかになった。

 

小中学校に在籍する教諭が実施する座席替えに関する事例的研究

 小中学校に在籍する教諭への半構造化インタビューから、座席替えに関する実態を学校種の観点から明らかにする。結果より、座席替えの頻度の決定は、人間関係の形成、学習環境の調整、節目、学年教師間で統一する、という4つの理由から行われることが明らかとなった。また、座席替えの頻度は、小学校では人間関係や学習環境を理由に1か月毎、中学校では定期考査や行事などのタイミングを理由に2か月毎に行っている傾向があり、学校種によって違いがあることが明かとなった。


2021年度学部生卒業論文

コロナ渦が大学生の食生活に与える影響に関する事例的研究

 

単元後に学習内容を含有する問題の作成に関する事例的研究

ー小学校第4学年理科の単元「水の3つのすがた」を通してー

 

学級における「荒れ」に対する教員のとらえに関する研究

ー現職員による語りを通してー

 

理科授業における授業者の視線に対応する発話に関する事例的研究

ー子ども主体の時間を通してー


2020年度学部生卒業論文

学校と地域が連携するあいさつ運動における小・中学生への影響

ーA中学校区内でのあいさつ運動を通してー

 生活記録ノートへ中学校3年間継続して書かれた生徒の記述内容とそれに対応するコメントから、コメントの特徴や生徒に与える影響を明らかにする。コメントの分析や質問紙調査等の結果から、 A教諭は生徒の記述に対する感想とアドバイスをコメントの基盤としていること、コメントは卒業後にも影響し、文章でコミュニケーションが取れたり文章力の向上になったりすることや、A教諭は生徒に応援や励ましの思いを持ってコメントを書き、生徒もそれを必要としていたことが考察された。

 

生活記録ノートに書かれた生徒の記述に対する教師のコメントに関する研究

ー中学校3年間のA教諭と生徒の事例を通してー

 あいさつ運動によって、小・中学生へどのような影響が起こるのかを、小・中学生への質問紙調査、中学生へのインタビュー調査により明らかにする。本研究で取り上げるのは、学校と地域が連携するあいさつ運動である。結果より、あいさつ運動は、小・中学生に挨拶の意義を見出させると共に、小・中学生の交流を行うことによって、小学生の中学校進学に対する不安を軽減させる影響があることが明らかになった。


2019年度学部生卒業論文

 

子ども見守りボランティアから見た児童・学校・社会の見識に関する事例的研究

―見守りボランティアTさんとの33日の記録―

 目的は、子ども見守りボランティア関係者に質問し、同行することで、ボランティアが地域の子どもや社会、学校をどう捉え、活動を取り巻く課題に対してどのような思いを抱えているかを明らかにすることである。

 

研究より、市や小学校は、登下校中の子どもの安全・安心を確保するため、見守りボランティアの他にも視点を当てる必要性を考えているが、他の手段については現在模索中であること、ボランティアの方は、時間的な負担、事故時の責任、引き継ぐ人材がいないことが課題だと捉えていることが明らかとなった。

 

教育に対する医療関係者の協働意識についての事例的研究

―医療関係者・患者・患者家族の三者の視点からー

 先天性内部疾患のある児童生徒に対しての医療と教育の連携に関する医療関係者・患者・患者家族の意識調査を行い、その傾向を明らかにすることを目的としている。

研究の結果、医療関係者・患者・患者家族は共通して、教育関係者には児童一人一人の生活に密着して個性を認めて支援してもらいたいと考えていることが明らかになった。そして、教育関係者の医療的な知識・経験の無さを解消するために、医療関係者との話し合い・疾患児童生徒との関わり合いの必要性を感じていることが示唆された。

 

教育実習生から見た現場の給食における指導に関する研究

 この研究では、教育実習生の給食指導の現状を捉え、教育実習での経験が、教育実習生の教育指導に与える影響を明らかにすることを目的としている。方法は、質問紙を用いて教育実習を終えた教育実習生に、指導教諭の給食時における指導方法及び自身の給食指導に関する意識や実践経験等について質問調査を行った。結果から、給食指導は多様であるが、教育実習生は自分が捉えた給食指導に影響を受けて、指導を行う傾向があることが明らかとなった。また、実習等を重要な学習の機会として捉えていることが明らかとなった。


2018年度学部生卒業論文

教育実習生の清掃指導に関する事例的研究 

 本研究では、異学年清掃を実施している小学校において、教育実習生の清掃指導に対する意識調査により、特徴を明らかにすることを目的としている。調査は、質問紙と発話をICレコーダーで記録して行う。結果から、実習生は過去に自身が受けた経験をもとに清掃指導を行い、自身の小学校の学習形態に関わらず、異学年清掃を肯定的に捉える傾向があることが明らかになった。また、班長や6年生の児童にリーダーとしての振る舞いを求めている傾向があることが分かった。


2017年度学部生卒業論文

教師の経験年数による授業参観の視点における研究   

教職について学んだ年数の異なる学生、現職教員が授業場面において気にしている点を分析・検討し、教職について学んだ年数の差によって、授業参観時の気になる点や視点にどのような違いがみられるのかを明らかにするため、授業参観の記録をもとに作成したアンケートで調査を行う。結果、教職について学んだ年数が高くなるにつれて、物事を複合的に捉え、かつ推論を加えながら深く思考するようになることが示唆される。しかし、医療について学んだ看護学生は、教職について学んでいないにも関わらず複合的かつ推論を加えた捉え方が身についていた。


2015年度学部生卒業論文

理科授業における教師の発話に関する臨床的研究

    授業転換の意明らか にすとする。調査は、発話ユニット数が最も多かった授業を明らかにし、その授業の授業文脈から逸れる話題転換が行われた発話ユニトの前後の話題のつながりに注目することを行う。果かに差が生学習方機会考え脈かれる題転換には、子供の成長を考え授業を成立させようとする教師の意図があることがわかった。